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PICS・PICS-Fとは

こんにちは!もう9月もそこまで来ているのにまだまだ暑さが続きますね。
新型コロナウイルスが5類へ移行になりマスクの自由化により今年は夏風邪を患う人が多かったようですね 😥

さて、今回はPICS・PICS-Fについてお話ししたいと思います。
皆さんPICSとは何か分かりますか?
PICSとは、Post Intensive Care Syndrome の略で生存している患者でのみ発生、PICS-Fとは、Post Intensive Care Syndrome-Familyの略で、生存者および非生存者の家族で発生する集中治療後症候群といわれています。

PICS・PICS-Fの症状は以下の通りです。

①身体機能障害
 体重が減り、筋力が減ったために運動能力が著しく低下し、日常生活に必要な動作(ADL)を行うことができなくなるといった症状
②認知機能障害
 お金の計算ができない、忘れっぽくなった、何かに注意を払って生活することが難しくなったなど認知機能の低下症状
③メンタルヘルス障害
 不安や気持ちの落ち込み、突然集中治療室のことを思い出して眠れないなどの心的外傷後ストレス(PTSD)などメンタルヘルス症状
④家族のメンタルヘルス障害(PICS-F)
 家族も患者と同様に、集中治療室での治療や患者の命の危険に直面したストレスからPTSDなどの精神症状を呈する

ICU 在室中あるいは ICU 退室後、さらには退院後に上記の様な症状を呈し、その影響は、長期に関わるとされています。


PICS・PICS-Fには多くの要因が絡んでいますが、根本の原因はもちろん重症疾患です。その治療のためにICUで幅広い医学知識や先進技術を駆使して集中的に治療、管理が行われますが、そのプロセスで過度な安静臥床や栄養投与が不適切であったり、過剰な鎮静が行われる等が医原性リスクとなっています。


では、PICS・PICS-Fを予防するためにはどうすれば良いのでしょうか?
患者及び家族におけるPICS・PICS-Fの有病率を減少させるためには、危険因子を予防または最小化することが重要です。

ICUでの集中治療後に生じるせん妄、様々な障害を減少させるために2010年に提唱されたのがABCDEバンドルです。

 A:毎日の覚醒トライアル
 B:毎日の呼吸器離脱トライアル
 C:適切な鎮静・鎮痛評価と対策
 D:せん妄予防・モニタリングとマネジメント
 E:早期離床

このABCDEバンドルに加え、さらにPICS、PICS-Fを予防するために「FGH」が追加されABCDEFGHバンドルが提唱されています。

F:家族を含めた対応、転院先への紹介、機能回復
G:良好な申し送り
H:PICS・PICS -Fに関しての患者・家族への情報


ABCDEFGHバンドルが遵守され、PICSやPICS-F予防につながることに期待したいですね。

個人的には、日々の看護の中でEの早期離床を積極的に行うよう心がけています。人工呼吸器を付けていても、座位訓練や立位訓練へ進めますし、座位訓練が困難な患者でも可能な限りROM訓練やベッドのギャッジアップは施行しています。
日常の業務からABCDEFGHバンドルを看護計画やアセスメトに取り入れることが重要だと考えます。

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