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尿量②

こんにちは 😃 本日は前回の続き、尿量のアセスメントについてお話ししていこうと思います ❕

尿量の異常値は、400mL /日以下で乏尿、100mL /日以下で無尿と定義されています。
尿量が減少する理由は、3つに分類することができます。

①循環不全(腎前性腎不全)
腎臓より前にある臓器の障害、つまり心臓の障害によって起こり、腎臓への血流が滞ると尿が生成されない。心不全では心臓の機能が低下し十分な血圧が維持できず、尿量が減少する。

②腎臓の臓器障害(腎性腎不全)
腎臓そのものの機能が低下し、尿が生成されない。

③尿路閉塞(腎後性腎不全)
腎臓より後ろの臓器、尿管や膀胱の障害で起こる。尿は生成されるが体の外に排出されない。尿路結石や前立腺肥大による尿閉、膀胱留置カテーテルの閉塞といった原因が考えられる。

前回、平均血圧の低下により尿量が減少するとお話ししたと思います。人間の体にはホメオスタシスが存在し、血圧が低い場合、心拍数を増やして血圧を上げようとする働きがあります。これが原因で頻脈となります。また、全身に流れる酸素も低下してしまうため、代償機構として頻呼吸を呈します。
このように、血圧低下、頻脈、呼吸数の増加に加え、尿量減少が起きている場合は、循環不全による尿量減少を疑います。血圧が低下していなくても、代償機構によって血圧が維持されている場合もあるため、尿量減少の裏に循環不全が隠れている可能性を常に考える必要があります。

腎後性腎不全が疑われる場合は、エコーで膀胱に尿があるのかを確認します。病棟によっては、看護師が使用できる膀胱内尿量を測定する小型のエコーが置いてある場合もあるので、活用してみましょう。

腎性腎不全が疑われる場合は、尿の色を確認します。腎臓の機能が低下すると、尿の濃縮力も停止します。そのため、尿が少なく色が薄い場合は腎性腎不全を疑います。

一方、腎前性腎不全では腎臓の機能は保たれているので、尿の濃縮力は維持されています。尿が少なく、色がオレンジ色になっている場合は腎前性腎不全を疑います。

逆に尿量が増加する場合は、尿崩症、水中毒、糖尿病を疑います。血圧低下や電解質異常に繋がるため、脳疾患や糖尿病の患者の場合は注意が必要です。

通常のバイタルサインに加え、尿量も確認する癖をつけると異常の早期発見に繋がりますね❗❗
ではまた 😀

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